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ぶれいもの音楽隊(雀の間)

今年のまとめ本のこと。

 本のことを書こうとして、台湾に行くだか帰る飛行機の中で「本能寺ホテル」 って映画をみたことを思い出しました。いろいろ。

 本は75冊くらい。割と今年前半に読んだものに当たりがまとまった気がしています。あとは、好きな作家のパトリシア・ハイスミスを何冊か読み直した。面白いです。最近何冊か訳しなおしたのが出ていたりするみたい。「変身の恐怖」 の吉田健一氏の訳は名訳とされているみたいだけど読みづらかったのでまた新訳で出ないかなあと思ったりします。

 印象に残った本。

森見登美彦 「聖なる怠け者の冒険 」
 京都の実在のちいさな神様が出てくる、祇園祭を舞台にしたおはなし。その、ちいさな神社に行ってみたくなりました。ゆるくて不思議な話で、気持ちもゆるゆるする。森見さんの描く祇園祭を読んでいると、とても幻想的なうつくしいものに見えてきます。

スティーヴン・キング「11/22/63 」
 長い!けれど、どうなるのだろう、というどきどきで引っ張って行く。うまいですなあ。ケネディ暗殺事件を阻止しようとするタイムスリップものです。タイムスリップに一定の縛りがあるのと、恋愛がからんで物語に緊張感がうまれます。ホラーとかじゃないので、はたして面白く読めるのかなと思いましたが、その心配はご無用でした。

久坂部羊「悪医」
 がんにかかったときにどうするか、久坂部氏の小説はどきどきさせながらいつもいろんな問題を提起しています。これまで読んだ久坂部さんの小説はミステリーの要素を含んでいましたが、これは完全に医師と患者の物語。現役医師で作家という人は時々いるようですが、みんな描写が容赦ない。この話も描写がきついので身内をがんで亡くした人とかは読むのが辛いと思いますが、もし自分ががんで余命宣告されたら・・・と、考えさせられました。おすすめ本です。

松原 始「カラスの教科書」「カラス屋の双眼鏡」
 松原さんはカラスの研究をしている人。カラスの生態や、調査中のエピソードなどをユーモアを交えて書いています。非常にお話がうまい。私は外でカラスも含めて鳥がいたりすると見てしまうのですが、この本を読んでからは、あの木にカラスの巣がありそうだ、なんて思ったりするようになりました。身の回りの生き物がちょっと気になりだす、とか、ちょっとカラスかわいいかも、って思い出すような意味で、ちょっとだけ人生が変わりそうな本。すごくおすすめです。

森見 登美彦「有頂天家族 二代目の帰朝」
 前作のほうが好きですが、なんと三部作だそうなので、続いて読まねばなりますまい。前作より少し重い気がしますが、続く第3部が気になってしかたがありません。アニメ化しているようだけれど、読みながら頭のに描いている絵柄と全く違う。もっとふわふわしている話だとおもう。

穂村 弘「蚊がいる」
 歌人の穂村弘さんのエッセイ集。たぶん、それってあるある、と思うようなことが多いから面白いのかなあ。居酒屋のトイレのドアを。がっ、と開けようとしたら誰か入っていて開かなかった、という時の気持ちを書いた部分があるのですが、あまりに的確にひとことで書かれていて、そうそう!とか思う前に爆笑してしまいました。

宮部 みゆき「荒神」
 新聞連載のときは読まなかった。だいたい新聞連載って読まないんだよなあ。今読んでる新聞に津村記久子さんが週末だけで連載しているんだけど、ぜんぜん読んでないし。
 この話は時代ものだけれどゴジラみたいなのが出てくるのでなかなかダイナミック。こういうお話が実際あったとして、残っていくと悲しい民話になるんだろうな、とか思いました。とはいえ泣けるような話ではない。そしてやっぱり宮部さん話の運びが絶妙だなあ。

今村 夏子「こちらあみ子」
 なんだろうこわい、という感想。発達障害のようなこどもが主役の話なんだけど、悪気がなく周囲を巻き込むさまに、どことなく破壊神のような神々しささえ感じる。短編3編が含まれている本ですが、あとの2編もほのかにずれていて変。なんともいえない後味を残すので、本好きの間でじわじわと評価が高いらしいけれど、納得な感じです。

垣根 涼介「光秀の定理」
 明智光秀が出てくる話だけれど本能寺はほとんど出てきません。面白くて台湾旅行にまで持って行ってしまった。おそらく架空の人物である二人がメインで、なんとも魅力的な人物なので、惹かれます。光秀がいなくなった最後の方がちょっと尻すぼみだったかもしれない。面白そうな作家さんだと思って現代ものを一冊読んだけれどそちらは合わなかったです。

津村記久子「ウエストウイング」
 津村記久子さんは完全に好きな作家さんだなあ。この本はかなり長いのです。どことなくさえない感のある女性と男性と子供、とビルヂングを軸に物語が展開します。後半では、私が初めて読んだ津村さんの小説「とにかくうちに帰ります」 のような大雨が降ってきて・・・。ちょっとしたエピソードが積み重なって、人がつながって、いろんなやりとりをする、そういうのが、あたりまえの社会なんだろうなあ、というようなことを、ちょっと思ったのです。

窪 美澄「晴天の迷いクジラ」
 窪さんもここのところとても気になる作家さん。かなり辛い話ですが、みるみる引き込まれていきました。単純にハッピーエンドとは言えないけれども、なんとかなるのであろう。

相場 英雄「震える牛」
 今年最後に読了したのがこれかー!食品偽装だの大型ショッピングチェーンだの、いろんな問題をがーっ、と提示して、それにからむ殺人事件を追う話。圧力をかける上司が出てきたり派閥が出てきたり、前半は警察ものだけれど、警察を舞台にしたお仕事小説みたいだな、と思ってすごく面白かったです。

 昨日あたりからは西加奈子さんの「サラバ」を読んでいます。最近読むのが遅くなってなかなか進みません・・・。

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コメント

ごぶさたしています。と、おへんじ遅くなりました。
読んでる量は読んでいるのですが、ほとんどあとになって内容を覚えていないというのがこまりものです。

年末年始のおやすみはあっという間でした。今年はもうちょっといろんなものに触れる機会を増やしたい、と毎年思うのですがなかなかむずかしいです。

  • 2018/01/04(木) 22:08:25 |
  • URL |
  • のじ #QzKMxyqc
  • [ 編集 ]

紹介ありがとう

ご無沙汰してます。
紹介されてる本、また何冊か読んでみます。
ゆっくりペースになっても75冊も読んでるんですね、凄いなあ。
「震える牛」はwowowドラマで観ました。良かったです。

  • 2017/12/31(日) 11:35:43 |
  • URL |
  • 嫌好法師 #TqXoMR/I
  • [ 編集 ]

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